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兵庫県建築士会阪神支部青年部会

建築と正義と少々お酒好きなお助け戦隊ケンチックの活動日記! 縁の下で頑張ってます♪








ヴォーリズその一粒(2) 

9月4日(土)阪神支部幹事の、ブロック交流会で「近江八幡へヴォーリズを訪ねる」に参加してまいりました。翌日も徳島に仕事でしたが頑張って行ってきました。昼食の際に阪神支部長の北川さんに挨拶したら「おお、おったんか」と。おりましたよ。



 近江八幡は何度も訪れているところでしたので、建築を見に行くというよりは今回案内役をしてくださる、元一粒社ヴォーリズ建築事務所所長の石田忠範さんにお会いするために行ってきたのでした。
ヴォーリズ事務所に中途入所して3年経たない私は石田さんにまだお会いしたことがなかったもので。

 ご案内役としてもう御一人、地元の建築家石井和浩さんもお忙しい中来てくださいました。
旧八幡郵便局という今回も見学したヴォーリズ建築がありますが、一時朽ち果てかけていたものを、一粒の会という有志の力で甦ったのですが、その活動の中心になっておられるかたです。


 石田さん、石井さんのご説明で

   ヴォーリズ記念館、
   近江兄弟社学園ハイド記念館、
   アンドリュース記念館(旧近江八幡YMCA会館)、
   池田町の住宅群、(ダブルハウス、旧ウォーターハウス邸)
   旧八幡郵便局、

 そして最後に

   旧豊郷小学校
 
 までまわりました。

 ここで建物について云々と解説するのは他に譲るとして、ヴォーリズ記念館となっている建物の由来をご紹介しますと、記念館というには非常に質素な建物で、ヴォーリズさんの晩年の住居であったところですが元々は近江兄弟社の職員の住宅だったそうです。
 石井さんも説明してくださいましたが、ヴォーリズは生前私的な財産を残すことなく、建築設計業はじめ事業として得られた収入は、ほとんどキリスト教教会に献金されたそうです。
 戦前の、しかも大戦を挟んでの大正、昭和初期の様子は私たちにはなかなかつかみにくいところがありますが、建築家としては相当成功した人物の終の住処としてはこじんまりとした現記念館の佇まいは、彼の建築家のみならず生き方の姿勢がよく現れているものだと思います。まさにキリスト教精神に基づいた生き方です。
 全てがそこから生じていて、建築を生み出すことはその一環の一部でしかないのですね。
 ヴォーリズ建築事務所所員も全員クリスチャンでした。記念館はヴォーリズさんの生前の優しさが建物にそのまま残っているようにも思いました。これのみならずヴォーリズ建築にはそういった温かみが宿っているのを感じます。


 実は私はヴォーリズ事務所に入る大昔に、一粒の会のボランティアに賛同して参加したことがあります。石井さんはかろうじて覚えていてくれています。
 お手洗いを皆で再生するのを、プラスターを練り込み、タイルを張り、をしたものです。

 参加は一度だけでそれ以後は私自身の出身地の堺でのまちづくりをメインになってしまいました。
 なので、私にとっても旧八幡郵便局、そして一粒の会は原点的なところがあります。

 石田さんはその後豊郷小学校まで足を伸ばした際に、バスの中でヴォーリズについてお話をしてくださいました。生前のヴォーリズを肌で感じている数少ない大先輩のお一人です。
 
 今回はヴォーリズ亡き後事務所をけん引していかれた石田さん、地元において活動を続けてこられた石井さん、お二人の「ヴォーリズに魅せられたひとたち」に接したことが、建物以上に印象深かったでした。



                     青井弘之(一粒社ヴォーリズ建築事務所)
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